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2009年 07月 04日
家の電話か鳴るから出てみると、キーーンという音が受話器を置くまでして、話し声など何もしないから「壊れたな」と思いながら、そんな事を何度か繰り返していたのだけれど、そのまま放っておいて、十日も経っただろうか。
「べつにいいや。家電にかかってくる用事は、ほとんど要らない要件だ。むしろめんどくさくなくていいや。」と思っていた。 今朝、次郎は、知り合いの農家に請われて、生まれて初めてのアルバイトに出かけて行った。一丁角もある畑の草取り、広大な畑、ゆるくない仕事である。 次郎が出かけた後、私はひとりになって、今日までじわじわと悲しみが続いていたマイケルの死だったけれど、♪I will be thereを動画で見ているうちに、ぽったぽったと涙が落ちてきて、マイケルが本当にかわいそうだと思った。本当の弟のようにかわいそうでたまらなくなった。 そして電話が鳴った。出ないうちは鳴り続けるから、受話器を取って、キーーンという音を少し聞いて受話器を置く。マイケルを見る。電話が鳴る。またしばらくして鳴る。繰り返しているうちに「あ、母だ」と分った。 充電中の携帯から母に電話をすると、「なして、電話に出ないのさ。」と言った後、泣き声になったので、今からすぐ、小樽へ行く事にした。 次郎には何も言っていないので、行く道の途中にその農家はあるから、寄り道して、訳を話そうと思っていたら、畑の中で働く次郎の姿か認められ、私は声をかけずに通り過ぎた。仕事の手を休めたくなかったのと、次郎の仕事が終わるまでに小樽から帰ればいいと思ったので。 最寄の駅に車で出かけ、駐車場に車を入れ、小樽までは電車で行く。いつもそうする。 電車まで少し時間があったから、駅の側の図書館で本を借りることにした。まだ開館まで、5分ほどあって、ベンチに腰を下して待っていると、私の隣のお年を召した男性が二人、久しぶりに偶然ここで会ったのか、共通の友人の近況や、知床半島のある町の町長は、エレベーターつきの豪邸に住んでいて、「今に、これになるんでないかい?」と一人の人が言って、グーを握った手を持ち上げて左右の腕でばってんを作った。 「いやいや、俺はあの人と友達だけどもさ、そんな人ではないんだ。ひかりごけ、ってしってるしょ?」 その後も二人の会話は続いていたのでけど、図書館のガラス戸が開いたのと、それから私は、「ひかりごけにしよう。今日借りるのは、ひかりごけだ。」とひらめいて、ベンチを飛び跳ねて、朝一番の図書館に入って行った。 つづく
by hiranuma-nasubi
| 2009-07-04 22:08
| ひとりごと
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